漢方

冬の養生

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先週の大寒波以来、冬の寒さをひしひしと感じます。

外出自粛や行動制限によりストレスも溜まりやすく、気持ちの落ち込みや運動不足は免疫力低下を引き起こし、体調を崩しやすくなります。

こんな時こそ、漢方の冬の養生です!

漢方とは、漢方薬のことだけではありません。

【漢方≒漢方薬】

東洋医学の治療法のひとつに漢方薬を用いた治療があり、
この他に養生・気功・整体・薬膳・鍼灸などを
含んだ広い意味で使われます。

5年前、漢方養生指導士初級を受講した際に最初に学んだことでした。

また、【漢方】は日本で名付けられた呼び名で(西洋医学=蘭学に対して名付けられた)、

古代中国医学を基本とするものの、奈良時代に伝来して以降、日本の気候や風土に影響を受けながら独自に発展・実践されてきた医学体系です。

日本人の生活様式に即した、自然治癒力を高める智慧なのです。

⭐️暦の上での冬とは

立冬(11月上旬)~立春(2月上旬)までの約3か月を指します。


漢方的に冬は寒さから身を守るために生命力を体の奥に蓄えておく季節と言われます。
身体はエネルギーの流れを内向きにして無駄な消費を抑え「気」(エネルギー)をため込もうとします。

この時期に夏と同じような生活を送っていると「気」の向きが外向きになってしまい、溜めるべきエネルギーが発散され、寒さに熱を奪われ、力を消耗してしまいます。

⭐️冬は【腎】を労る

冬は漢方的に、ホルモンバランスや老化をつかさどる【腎】の働きが弱くなりやすい季節です。

腎には風邪などから身体を守る力も蓄えられていますし、身体を温める働きもありますので、冬の時期は腎をいたわりましょう。

⭐️生活

汗をたくさんかくような過度な運動は腎を消耗すると言われています。汗をかきすぎて腎を損傷しないよう、ストレッチや軽いウォーキングなど、ほどほどの運動で身体を温めることがおすすめです。


また、冬は寒さで夏よりもエネルギーを多く使うため、他の季節よりも少し早めに眠り、朝は日が出てから起きるといいでしょう。

ただし長ければいいというものでもないので、十分に休息できたという感覚を大切にし、自分にあった睡眠時間を見つけられて下さいね。

⭐️食材

黒い食材は腎を養う→黒ゴマ・黒きくらげ・こんぶ・黒米・黒豆

ナッツ類・高麗人参・やまいも
エネルギーを補充して身体を温める→人参・大根・いもなどの根菜類、米や麦、生姜・ニンニク・にら・ねぎ・かぼちゃ
血の巡りを良くする少量の辛味→大根

ただし、汗を大量にかくほどに辛味の強いものは身体の熱をうばい、逆に冷やしてしまうので注意が必要です。また、塩辛いものの取りすぎは腎を乱してしまいますので気を付けましょう。

⭐️ツボ

足の少陰腎経(足裏から内側を通って、恥骨からお腹の前を上がり、鎖骨の間までのライン)

①湧泉(ゆうせん)

足の裏の土踏まずの前側で、赤い皮膚と白い皮膚との境目に出来る「ヘの字」の谷側にあります。

腎経の出発点で、腎経の作用のうちの「精力減退」や「疲労回復」など、肉体的な消耗を回復する場合に用います。

②照海(しょうかい)

内踝(ないか、うちくるぶし)から親指一本分の幅だけ垂直に下がった所の骨と骨の小さな隙間にあります。

腎経の作用の中の利尿や生理(月経)などを正常にする働きがあります。(利尿作用や生理不順など)

③太谿(たいけい)

内踝アキレス腱との間の陥凹部にあります。

腎経の気を活性し、腎経全体の働きを良くします。慢性腎臓疾患、婦人科疾患、免疫力低下などに用います。

④大鐘(だいしょう)

アキレス腱の前縁を撫で降ろしていって踵の骨に突き当たった所にあります。

肺や気管支に作用して、喘息などを静める働きがあります。

⑤築賓(ちくひん)

内踝の上5寸(四横指=3寸+三横指=2寸)の高さで、アキレス腱から脹ら脛に入っていく所にあります。

解毒作用があるため、下半身の湿疹、蕁麻疹などに効果があります

○腎経のツボまとめ

・老化、免疫力低下には①湧泉
・泌尿器疾患、婦人科疾患には②照海
・呼吸器疾患には④大鐘
・解毒(湿疹など)には④築賓

腎のツボがある足首や腰回りを中心に、下半身に寒さが入り込まない工夫をしていきましょう。


中国には「冬至養生(とうちようじょう)」冬を利用して養生するという言葉もあるそうです。

蓄えの季節である冬の時期にパワーを十分に補充して、始まりの季節である春からの1年を乗り切れる身体を今の季節から整えていきましょう!

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